mv

THE TOKYO
BRAND
vol.5 mikomori

ハッピーオーラの人
「mikomori」ディレクター
安西こずえさんの日常

変わりゆくライフスタイルや体型などを意識したファッションの新しい価値観を提案するブランドが増え、買う側の気持ちに寄り添うTOKYO BRANDが増えている。そのデザイナーやディレクターに、ブランドヒストリーやファッションへの愛を聞くこの連載。第5回で紹介するのは、スタイリストであり、大人のためのリゾートウェアブランド「mikomori」のディレクターを務める安西こずえさん。

ブランド一覧を見る

仕事との出会いも、ブランドオープンも、全部「運がよかった」

ビーチでドレスアップするなら。ビーチでパーティするなら。そんな妄想が広がる、mikomoriのスイムウェア。ハワイが大好きな安西こずえさんが「自分が着たいリゾートウェア」を形にしたのがこのブランドだ。モノトーンのワンピースが中心で、都会で過ごす感覚のままスイムウェアを着ることができる。「毎年ハワイに行っていても、スーツケースの中身がいつも一緒。現地で手に入るものは東京では着られないようなリゾート度100%のアイテムだったり、ものすごく布面積の小さい三角ビキニだったり。ちょうどそんな話を3年前の年末のハワイでしていたら、年明けに“レディスの水着ブランドをやらない?”って話が舞い込んできたんです」。

普段はスタイリストとして活躍している安西さん。そもそも特にファッション業界に強い情熱を持っていたわけではない。「学校を卒業しても働かずにフラフラ遊び呆けてたんです(笑)。そしたら雑誌のライターをしていた知人から、撮影アシスタントのバイトを頼まれて。暇だったので手伝ったのが、この世界に入ったきっかけ」。人懐こい性格が気に入られ、スタイリストのアシスタントの仕事に誘われ、そのままキャリアがスタート。「少しずつ自分の仕事が増えていきながらも、結局7年くらい楽しくアシスタントをしていました。師匠がメンズのスタイリストだったので最初はメンズをやっていて、レディスに携わるようになったのはこの10年くらい」。

最愛の母が見守ってくれる、ハワイの海

毎年のハワイ通いで欲しいリゾートウェアのイメージはあったし、スタイリストという職業柄、最新のトレンドも熟知している。デザインに困ることはなかった。ではどうやって売るのか? 「まずハワイから出店せよ」ということだけが決まっていたという。「リッツ・カールトンとか、高級ホテルのインショップが好きでハワイに行くといつも覗いていたので、そういうところに出店できたらなぁ、なんて夢みたいに思ってたんです。で、一か八か仕事でお世話になったハワイのコーディネーターさんに相談すると、オータニかロイヤルハワイアンなら繋げられるかも、と言われて!」ロイヤルハワイアンといえばピンクホテルとして有名な、女子たちの憧れのホテル。安西さんにとっては7年前に亡くなったお母様と毎年のように泊まった思い出のホテルだった。「本当にラッキー。何もかも、運がいいのよ、私」。そう簡単に言うが、それは常に出会う人に誠実に、それでいて気さくに向き合ってきたからこそ築かれてきた縁に違いない。

ブランド名の「mikomori」は「海子守」と書く。「ハワイでスタートする日本発のブランドだから、日本らしい響きのある名前にしたいと思っていました。それに母の骨を大好きなハワイの海に撒いたんです。この海で母が守ってくれるから頑張ろう、そう思えるお守りのようなブランド名です」。

ハワイの店舗はホテルのカラーにもフィットする鮮やかなピンク。これをブランドのテーマカラーにした。「展開するアイテムは白と黒に絞ったんです。もちろんシーズンによって多少他の色も出てきますけど、基本はこの2色。長年スタイリストをやってきて、結局ずっと着たいと思えるのはこの2色だったから。でもお店がクールになりすぎるのはちょっと違うなと思って、壁もハンガーもカーテンも小物もみんな、訪れた途端キャーッ♡と気分が上がるピンクにしました」。

ひとりでもちゃんと楽しめる、自立した女性がイメージ

コンセプトは「少しフェミニン、少し大胆」。「どちらかというとプロバンスとかイビザとか、ヨーロッパのリゾートが似合いそうな水着かな。イメージする女性像は、自分で働いて稼いだお金で、気軽にハワイに来るような遊び慣れた大人の女性。友人とも過ごすけれど、一人遊びもできる。太陽と仲良くするためには日焼けも全然平気!というかっこいい女性」。デザインを考える上で、洋服の発想を水着に落とし込むことも多いという。「この先はキッズやメンズも展開したいと思っています。ハワイの店舗はホテルという立地もあって年齢層が広くて、20代の若い女性から年配のマダムまで色々。でも男性のパートナーはちょっと手持ち無沙汰になってしまう。だから今後は、カップルや親子でも楽しんでもらえたら嬉しいなと思って」。

ブランドを立ち上げて1年。2017年秋には東京にも店舗がオープンし、セレクトショップなどでのポップアップも増えている。しかも相乗効果のようにスタイリストとしての仕事も増えているのだとか。どんなに多忙か、想像もつかない。「ハワイには仕事で2ヶ月に1度は行っています。もう、大阪出張感覚(笑)。デザインは頭の中でアイデアが溜まったら、LINEでがーーっと生産チームにメッセージを送ります。まとまった時間はなかなかとれませんね。好きなことが仕事だからしんどいとは思わないけれど、まぁオフの暮らしはひどいです(笑)。息抜きは、親しい友人とゆったり飲むこと、そして毎朝行っている犬の散歩」。6歳のマルチーズと5歳のシュナウザー、2匹の愛犬が癒しの源だという安西さん。東京で、ハワイで、好きな仕事に邁進しながら、周囲の仕事仲間や友人、そして青い海と空をこよなく愛する生活。安西さんのように生きたいな、と思ったら、まずはmikomoriの水着をトランクに入れて、ひとりでハワイを訪れてみるのもいいかもしれない!

(左)ハワイの店舗。(右)お母様の骨を撒いた海。

ハワイで行きつけの店の前で、友人たちと。

2匹の癒やしの愛犬。

Photographer/YASUYUKI NOJI
Writer/YURICO YOSHINO

ブランド一覧を見る
  • ※掲載商品は定価表示となっております。

KOZUE ANZAI

スタイリスト。「mikomori」ブランドディレクター。1971年東京都生まれ。大学卒業後、メンズファッションのスタイリストアシスタントを経て独立。「InRed」「VERY」「otonaMUSE」など数々の女性誌や広告で活躍。そのセンスと気さくな人柄に著名人からの指名も多い。またさまざまなブランドとのコラボレート商品開発にも携わり、『TRUNK(HOTEL)』のポップアップスペースのディレクションも行うなど、幅広く活躍している。